SASとの出会い
医大卒業後に大学の呼吸器内科に入局して、大学附属病院で幅広く呼吸器疾患の診療に当たってきました。その間で、いびき・日中の眠気・起床時の頭痛・全身倦怠感を訴える若い肥満患者を受け持つことになり、色々と検査を行いました。「この患者は睡眠時無呼吸症候群(SAS)では」と疑いを持ちましたが、その当時、大学では睡眠ポリグラフィー検査(PSG)を行えませんでした。そこで、その当時県内で唯一PSGを行える天理市立病院に患者様を送り、PSGを行い重症OSASと診断し、CPAPを導入しました。すると、それまでの症状が改善しました。それがSASとの出会いです。CPAPという治療に大きな可能性を感じたことを覚えています。
大学での2年間の研修終了後に、たまたま大学からの派遣で天理市立病院に勤務することになりました。そこで、中野博先生(現、福岡病院)と出会いSASについての診療・臨床研究を行うことになりました。中野先生はご自身でPSG検査機器を作成して、いち早く電子化にも着手するなど、本当に色々なことをご指導いただきました。ここでの5年間のSASの診療経験が大きな財産となりました。
その後は、国立療養所西奈良病院(現、奈良医療センター)に勤務しました。当時、同院はSAS診療を全く行っていませんでしたが、なぜか私が赴任することになってから急にSAS診療を始めることが決まり、急遽SAS診療の体制を整えました。しかし、当初は私1人でSAS診療の全ての業務を行うことになり、それは大変でした。特に、PSG解析業務が大変時間がかかりました。現在ではどこの医療機関でも臨床検査技師がPSG解析を行っていますが、その当時は同院では臨床検査技師が少なく、医師である私が行うという体制でした。1症例の解析にはじめは4時間以上もかかり、その他の業務が終了してから夜間に解析を行うという日々は続きました。しかし、実際にPSG解析業務をしたことが現在の検査所見を見る際に大きく役に立っています。臨床検査技師がPSG解析をすることが普通になっている現在では、実際にご自身でPSG解析の経験のある医師は少ないのではないでしょうか。
専門クリニックの開院
開院のきっかけは、病院という範疇では睡眠呼吸障害を専門に行うことは難しく、専門クリニックの必要性の認識を徐々に深めたのです。また、多くの患者様が検査・治療を受けていないことを考慮して、より患者様が多く通院しやすい心斎橋で平成18年4月に開院することを決意しました。
当初は大阪での知名度が低いため、患者様がほとんど来院されない状態が続きました。しかし、徐々にですが色々な評判をお聞きになった患者様が来院されるようになりました。多くの患者様がCPAPを継続されています。
ですが、睡眠呼吸障害患者様はまだまだ多くの患者様が検査・治療を受けていません。今後も、1人でも多くの患者様の治療にあたりたいと考えています。






