松澤呼吸器クリニック

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睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?死亡リスク・心臓病との関係

「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」

「睡眠時無呼吸症候群と診断されたけれど、症状がないので治療していない」

このような方は注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、単に「いびきが大きい」「昼間に眠くなる」という睡眠の問題だけではありません。

特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで、低酸素状態や睡眠の分断が生じます。その結果、血圧や自律神経、心臓・血管に負担がかかることが分かっています。

日本循環器学会などが参加する合同研究班による「2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」でも、睡眠呼吸障害と循環器疾患との関連が扱われています。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群を放置した場合に考えられるリスクについて、医学的な根拠をもとに分かりやすく解説します。


睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?

結論からいうと、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧や心血管疾患などのリスクに関係する可能性があります。

ただし、「睡眠時無呼吸症候群がある人は必ず心臓病になる」「放置すると必ず死亡する」という意味ではありません。

睡眠時無呼吸症候群の重症度、年齢、肥満、高血圧、糖尿病、喫煙など、さまざまな要因によってリスクは変わります。

そのため重要なのは、必要以上に怖がることではなく、自分が睡眠時無呼吸症候群なのか、またどの程度なのかを検査で確認することです。


なぜ睡眠時無呼吸症候群が心臓や血管に影響するの?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に上気道が狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸が一時的に止まります。

呼吸が止まると、血液中の酸素が低下します。

そして呼吸を再開するときには、交感神経が活性化して血圧や心拍数が変動します。

このような状態が睡眠中に何度も繰り返されることが、心臓や血管への負担につながると考えられています。

アメリカ心臓協会(AHA)の科学的声明でも、閉塞性睡眠時無呼吸は、間欠的低酸素、交感神経活動の変化、睡眠の分断などを特徴とし、循環器疾患との関連が示されています。

つまり、睡眠時無呼吸症候群は「寝ている間だけの問題」とは考えにくいのです。


睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係

睡眠時無呼吸症候群と特に関係が深い循環器疾患の一つが高血圧です。

睡眠中に呼吸が止まると、低酸素状態や交感神経の活性化などによって血圧が上昇することがあります。

そのため、睡眠時無呼吸症候群は高血圧の重要な関連因子の一つとして知られています。

特に、

  • 夜間の血圧が高い
  • 朝の血圧が高い
  • 血圧の薬を複数使用している
  • 治療しているのに血圧がなかなか下がらない

という場合には、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することが重要です。

「血圧が高いのは年齢のせい」と考えている方でも、睡眠中の呼吸状態を調べることで原因の一つが見つかる可能性があります。


心筋梗塞や脳卒中との関係は?

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧だけではなく、さまざまな心血管疾患との関連が研究されています。

睡眠時無呼吸症候群では、

呼吸停止

低酸素

交感神経の活性化

血圧・心拍数の変動

心臓・血管への負担

という状態が睡眠中に繰り返されます。

これが長期間続くことで、循環器系への負担が蓄積する可能性があります。

日本循環器学会の「2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」も、睡眠呼吸障害と循環器疾患との関係を取り上げています。

ただし、ここで注意したいのは、睡眠時無呼吸症候群があるからといって、心筋梗塞や脳卒中が必ず起こるわけではないということです。

生活習慣、年齢、血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など、ほかの危険因子も関係します。


睡眠時無呼吸症候群と「死亡リスク」の関係

「睡眠時無呼吸症候群で死ぬことはあるの?」

これは患者さんからも心配されやすい質問です。

過去の研究をまとめたメタ解析では、睡眠時無呼吸症候群の重症度が高いほど、全死亡や心血管死亡との関連が強くなる傾向が報告されています。

27件のコホート研究、約316万人を対象としたメタ解析では、正常群と比較して、重症OSAでは全死亡のハザード比が2.13、心血管死亡のハザード比が2.73と報告されました。

一方で、こうした研究の多くは観察研究であり、「睡眠時無呼吸症候群そのものが死亡を直接引き起こした」と単純に断定できるものではありません。

また、治療の有無や治療への取り組み方によっても結果は変わります。

したがって、「睡眠時無呼吸症候群=死ぬ病気」と考えるのではなく、重症度を確認して、必要な場合には適切な治療につなげることが重要です。


「症状がないから大丈夫」は要注意

睡眠時無呼吸症候群で注意したいのが、本人が病気に気づいていないケースです。

代表的な症状として、

  • 大きないびき
  • 睡眠中の呼吸停止
  • 起床時の頭痛
  • 日中の眠気
  • 集中力の低下
  • 夜間の頻尿
  • 熟睡感がない
  • 起床時に口が乾いている

などがあります。

しかし、すべての人に典型的な症状が出るわけではありません。

特に「昼間はそれほど眠くないから大丈夫」と自己判断するのはおすすめできません。

家族やパートナーから、

「寝ているときに呼吸が止まっている」

「いびきが途中で止まって、その後に大きな呼吸をしている」

と指摘された場合は、一度検査を検討しましょう。


こんな方は睡眠時無呼吸症候群の検査を検討しましょう

次の項目に当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することをおすすめします。

睡眠中

□ 大きないびきをかく
□ 呼吸が止まっていると指摘された
□ 息苦しそうに呼吸をしていると言われる
□ 寝ている間に何度も目が覚める

起床時

□ 朝起きたときに頭痛がある
□ 口が乾いている
□ 十分寝たはずなのに疲れている
□ 熟睡した感じがしない

日中

□ 日中に強い眠気がある
□ 会議や読書中に眠くなる
□ 集中力が続かない
□ 車の運転中に眠くなることがある

循環器系

□ 高血圧を指摘されている
□ 血圧の薬を飲んでいるがコントロールが難しい
□ 心房細動などの不整脈がある
□ 心臓や血管の病気を指摘されたことがある

一つだけ当てはまったからといって、睡眠時無呼吸症候群とは限りません。

反対に、複数の項目に当てはまる場合は、一度医療機関で相談してみるとよいでしょう。


睡眠時無呼吸症候群はどうやって調べる?

睡眠時無呼吸症候群の検査には、簡易検査と精密検査があります。

自宅で行える簡易検査では、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素濃度などを測定します。

一方、より詳しく睡眠状態を調べる必要がある場合には、**終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)**が行われます。

PSGでは、睡眠中の脳波、呼吸、血中酸素飽和度、心電図、体の動きなど、複数の情報を同時に測定します。

検査によって、

  • 本当に睡眠時無呼吸があるのか
  • どの程度の頻度で呼吸が止まっているのか
  • 睡眠中に酸素がどの程度低下しているのか
  • 睡眠状態にどのような影響が出ているのか

などを詳しく確認できます。


AHIとは?睡眠時無呼吸症候群の重症度を判断する指標

睡眠時無呼吸症候群の検査結果でよく出てくるのが「AHI」です。

AHIは「無呼吸低呼吸指数」のことで、睡眠1時間あたりに無呼吸または低呼吸が何回起こったかを示す指標です。

一般的には、成人のOSAではAHIが5回/時以上で、症状などの臨床所見と合わせて診断が検討されます。

AHIが高いほど、睡眠中に呼吸イベントが多く発生していることを意味します。

ただし、AHIだけで病気の影響をすべて判断できるわけではありません。

血中酸素の低下、症状、合併症なども含めて総合的に評価することが重要です。


CPAP治療をすれば安心?

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療方法がCPAP(シーパップ)です。

CPAPは、専用のマスクから空気を送り、睡眠中に気道が閉塞するのを防ぐ治療です。

CPAPについては、睡眠時無呼吸症候群の治療として広く使用されています。

また、過去の観察研究をまとめたメタ解析では、CPAP治療を受けたOSA患者では、未治療患者と比較して全死亡および心血管死亡が少なかったと報告されています。

ただし、CPAPがすべての患者さんの心血管イベントや死亡を確実に防ぐと断定することはできません。

CPAPの心血管イベントに対する効果については、ランダム化比較試験をまとめた近年の研究でも議論が続いています。

そのため、CPAPは「将来の病気を絶対に防ぐための治療」と捉えるのではなく、睡眠時無呼吸症候群による呼吸停止を改善し、必要な患者さんの症状や病態を管理するための治療と考えることが大切です。


「いびきだけだから」と放置しないことが大切です

いびきは誰にでも起こることがあります。

しかし、

大きないびき+呼吸が止まる

という組み合わせがある場合は、単なるいびきではなく睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

また、高血圧や心臓・血管の病気がある方では、睡眠中の呼吸状態を確認することが重要になる場合があります。

睡眠時無呼吸症候群は、症状だけでは重症度を判断できません。

「大したことはないだろう」と自己判断するのではなく、検査によって現在の状態を確認することが大切です。


まとめ:睡眠時無呼吸症候群は「放置する」のではなく、まず状態を確認しましょう

睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびきの病気」ではありません。

特に閉塞性睡眠時無呼吸では、睡眠中の呼吸停止と低酸素、交感神経活動の変化などを繰り返すことで、循環器系への負担につながる可能性があります。

これまでの研究では、睡眠時無呼吸症候群と高血圧、心血管疾患、死亡リスクとの関連が報告されています。

ただし、睡眠時無呼吸症候群がある人が必ず重大な病気になるわけではありません。

大切なのは、必要以上に怖がることではなく、

「自分に睡眠時無呼吸症候群があるのか」
「ある場合、どの程度なのか」

を検査で確認することです。

特に、

  • 大きないびきがある
  • 呼吸が止まると指摘された
  • 日中の眠気が強い
  • 朝の頭痛や口の渇きがある
  • 高血圧がある
  • 心臓や血管の病気がある

という方は、一度睡眠時無呼吸症候群について医療機関に相談してみましょう。

松澤呼吸器クリニックでは睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を行っています

当院では、睡眠時無呼吸症候群について、専門医による診察から検査、治療まで対応しています。

症状が気になる方や、ご家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と指摘された方は、お気軽にご相談ください。

最適な治療が可能ですので、お悩みの方は是非ご相談下さい。

24時間WEB予約も可能です。

https://matsuzawa-cl.com/yoyaku

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