なぜ、眠っている間に呼吸が止まるのですか?

眠りに入ると、のどのまわりの筋肉がゆるみます。もともと気道が狭い方では、ここが塞がって空気が通らなくなります。これが呼吸の停止です。

呼吸が止まると血液中の酸素が下がり、体はそれを危険と判断して、呼吸を再開させるために短く目を覚まします。この反応が起きた瞬間に、大きないびきや、あえぐような音とともに呼吸が戻ります。

無呼吸と低呼吸 10秒以上呼吸が止まる状態を「無呼吸」、完全には止まっていないが浅くなる状態を「低呼吸」といいます。1時間あたりの合計回数(AHI)が5回以上で睡眠時無呼吸症候群と診断される目安となり、30回以上では重症とされます。

重症の方では、この停止と再開が一晩に200回以上くり返されていることもあります。ご本人には「起きた」という記憶が残らないため、自覚がないまま年単位で続いていることがあります。

放置すると、どうなりますか?

呼吸が止まるたびに血液中の酸素が下がり、体は交感神経を活発にして心拍数と血圧を上げます。これが一晩に何十回もくり返されると、心臓と血管に負担がかかり続けます。

睡眠時無呼吸症候群を治療せずにいると、次のような病気との関連が報告されています。

  • 高血圧(とくに、薬を飲んでも下がりにくい高血圧)
  • 心疾患、不整脈
  • 脳血管障害
  • 2型糖尿病

また、日中の強い眠気による居眠り運転や作業中の事故も、見過ごせない問題です。

ご家族の方へ ─ どう伝えればよいですか?

ご本人に自覚がないため、指摘しても「大げさだ」と受け止められることがあります。次のような点をお伝えいただくと、受診につながりやすくなります。

  • 止まっていた時間の長さ(10秒、20秒など、おおよそで構いません)
  • 一晩に何度くらい起きているか
  • 日中の眠気や、朝の頭痛など、ほかの症状との関連

可能であれば、いびきや呼吸が止まっている様子を録音・録画していただくと、ご本人が状況を理解しやすくなります。受診の際にお持ちいただいても構いません。

当院の検査は夜間入院・早朝退院のため、お仕事を休む必要がありません。「休まなくてよい」ことをお伝えいただくと、受診のハードルが下がることがあります。ご来院時にご家族がご同席いただいても構いません。

検査はどのように進みますか?

まず外来を受診いただき、ご自宅での検査(パルスオキシメーター)から始めます。その結果をふまえて、必要な方に入院での精密検査(PSG)をご案内します。

精密検査では、呼吸や血液中の酸素に加えて脳波を記録するため、眠りの深さを含めた正確な重症度が分かります。18時頃までにご来院いただき、翌朝6〜7時頃にご退院いただけます。検査・治療とも健康保険が適用されます。

なお、初診当日に検査入院を行うことはできません。まず外来をご予約ください。