なぜ、いびきをかくのですか?

眠りに入ると、のどのまわりの筋肉がゆるみます。あお向けで寝ていると、舌の付け根が重力で下がり、空気の通り道が狭くなります。狭くなったところを空気が勢いよく通ると、粘膜が細かく振動し、その音がいびきとして聞こえます。

気道が狭くなりやすい要因には、次のようなものがあります。

  • 体重の増加(首まわりに脂肪がつくと気道が圧迫されます)
  • あごが小さい、または後ろに引っ込んでいる骨格
  • 扁桃やアデノイドが大きい
  • 鼻づまり(鼻で呼吸できず、口呼吸になります)
  • 就寝前の飲酒(のどの筋肉がさらにゆるみます)

お酒を飲んだ日だけ、風邪で鼻がつまっているときだけ、といった一時的ないびきは、多くの場合心配のないものです。

どのようないびきが危険ですか?

注意していただきたいのは、次のようないびきです。

  • 毎晩、大きな音が続く 週の大半でいびきをかいている
  • 途中で音が止まる しばらく静かになり、大きな音とともに再開する
  • 苦しそうな呼吸を伴う あえぐような音、むせるような音がする

とくに2つ目は、いびきが止まっている間、呼吸そのものが止まっている可能性があります。ご家族が「息をしていない時間がある」と感じるのは、この状態です。

AHI(無呼吸低呼吸指数) 眠っている1時間あたりに、呼吸が止まる・浅くなる状態が何回あったかを示す数値です。5回以上で睡眠時無呼吸症候群と診断される目安となり、15回以上で中等症、30回以上で重症とされています。

ご本人には自覚がないことがほとんどです。日中の眠気、朝の頭痛、夜中に何度も目が覚めるといった症状があわせてある場合は、検査をご検討ください。

市販のテープやグッズで治りますか?

鼻づまりが原因の方では、鼻を広げるテープで音が軽くなることがあります。口を閉じるテープも、口呼吸が原因の場合には一定の効果があります。

ただし、これらは音への対処であって、気道が狭いこと自体は変わりません。無呼吸がある状態で音だけが小さくなると、かえって周囲が気づきにくくなり、発見が遅れることがあります。

数週間試しても変わらない、あるいは日中の眠気を伴う場合は、市販品を続けるより検査で原因を確かめるほうが確実です。

横向きで寝れば止まりますか?

あお向けのときだけいびきが出る方では、横向きで軽くなることがあります。抱き枕を使う、背中側にクッションを置くといった工夫で横向きを保ちやすくなります。

一方、姿勢に関係なくいびきや無呼吸が出る方も多く、その場合は寝方を変えても改善しません。検査では、あお向けのときだけ無呼吸が出るのか、体の向きに関係なく出るのかも分かります。

検査はどのように進みますか?

まず外来を受診いただき、ご自宅での検査(パルスオキシメーター)から始めます。ご自宅で一晩、指先に測定器を付けて眠っていただくだけです。

その結果をふまえて、必要な方に入院での精密検査(PSG)をご案内します。当院では18時頃までにご来院いただき、翌朝6〜7時頃にご退院いただけるため、お仕事や学校を休む必要はありません。検査・治療とも健康保険が適用されます。