マウスピースとは、どのような治療ですか?
就寝時に装着する口腔内の装置です。上下の歯にはめ込み、下あごを少し前に出した状態で固定します。あごが前に出ることで舌の付け根が持ち上がり、のどの奥の空間が広がります。
電源も機械も必要なく、手のひらに収まる大きさです。持ち運びやすいため、出張や旅行が多い方にも使いやすい方法です。
どのような方に向いていますか?
すべての方に適しているわけではありません。歯やあごの状態によっては、作製できないことがあります。
向いている方
- 軽症から中等症の方
- CPAPを試したが、続けられなかった方
- 出張や旅行が多く、機器の持ち運びが負担な方
- あお向けで寝たときだけ無呼吸が出る方
- ご自身の歯がある程度残っている方
難しいことがある方
- 重症の方(十分な効果が得られないことがあります)
- 残っている歯が少ない方、総入れ歯の方
- 進行した歯周病やむし歯がある方(先に治療が必要です)
- あごの関節に痛みや違和感がある方
- 鼻がつまっていて、口を閉じて眠れない方
まずは検査で重症度を確かめ、お口の状態とあわせて判断します。ご希望があれば遠慮なくお伝えください。
CPAPとは、どう違いますか?
2つは対立するものではなく、状態に応じて使い分けるものです。それぞれの特徴を並べると次のようになります。
| CPAP | マウスピース | |
|---|---|---|
| しくみ | 空気の圧で気道を広げる | 下あごを前に出して、のどの空間を広げる |
| 適した重症度 | 中等症から重症 | 軽症から中等症 |
| 効果の確実さ | 無呼吸を抑える力は強い | 効果には個人差があります |
| 装着感 | マスクと空気に慣れが必要 | あごや歯に違和感が出ることがあります |
| 持ち運び | 本体・チューブ・マスク一式 | 手のひらサイズ。電源も不要 |
| 電源 | 必要 | 不要 |
| 作製・導入 | 当院の外来で開始します | ご紹介する歯科で型を取り作製します |
| 通院 | 原則として月1回(当院) | 当院と歯科の両方に、定期的に |
| 健康保険 | 適用されます | 適用されます(医科からの紹介状が必要です) |
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無呼吸を抑える力という点では、CPAPのほうが確実です。そのため中等症から重症の方には、まずCPAPをおすすめしています。一方で、使い続けられなければ治療にはなりません。続けられる方法を選ぶことを優先します。
どのように作りますか?
マウスピースは歯科で作製します。当院と歯科の両方を受診していただく流れになります。
- 01
検査の結果をふまえて、適応を判断します
重症度、あごや歯の状態、鼻の通りなどを確認し、マウスピースが適しているかを判断します。CPAPとどちらがよいかも、あわせてご相談します。
- 02
歯科あての紹介状(診療情報提供書)をお渡しします
健康保険でマウスピースを作製するには、医科での診断と紹介が必要です。検査結果を添えた書類をお渡しします。
- 03
歯科で型を取り、作製します
ご紹介する歯科で、お口の状態を確認したうえで型を取ります。むし歯や歯周病がある場合、先にその治療が必要になることがあります。
できあがったマウスピースを装着し、あごを出す量を調整します。作製から装着まで、数回の通院が必要です。
- 04
効果を確認します
マウスピースを装着した状態で、あらためて検査を行い、無呼吸が減っているかを確認します。十分でない場合は、あごを出す量の再調整や、ほかの治療への変更を検討します。
- 05
定期的に確認します
装着感やかみ合わせの変化を確認するため、歯科を定期的に受診していただきます。無呼吸の状態については、当院で経過を見ます。
※ 通院回数・連携先は目安です。
使ってみて、困ることはありますか?
装着に慣れるまで、次のようなことが起こる場合があります。多くは使い続けるうちに軽くなりますが、続く場合はご相談ください。
あごや歯に違和感・痛みが出る
あごを前に出した状態で固定するため、起床時にだるさを感じることがあります。出す量の調整で軽くなることが多くあります。
唾液が増える・口が乾く
使い始めによくある反応です。多くの場合、数週間で落ち着きます。
かみ合わせが変わることがある
長期間の使用で、わずかに変化する場合があります。定期的に歯科で確認していただく理由のひとつです。
効果が十分に出ない
重症の方や、鼻がつまっている方では、無呼吸が十分に減らないことがあります。装着した状態での検査で確認します。
お手入れは、毎朝外したあとに水で洗い、よく乾かします。歯磨き粉での洗浄は素材を傷めることがあるため、歯科の指示に従ってください。
健康保険は使えますか?
使えます。ただし、医科(当院)で睡眠時無呼吸症候群と診断され、歯科あての紹介状をお持ちいただくことが条件です。ご自身で歯科を受診されただけでは、保険が適用されません。
費用は、当院での診察・検査分と、歯科での作製分に分かれます。金額の目安は「費用と保険」のページをご覧ください。
ご検討の前に、ご確認いただきたいこと
- まず当院で検査を受け、重症度を確かめる必要があります
- 作製はご紹介する歯科で行います。数回の通院が必要です
- むし歯や歯周病がある場合、先に治療が必要になることがあります
- 作製後、装着した状態で効果を確認する検査を行います
- 当院と歯科の両方に、定期的に通っていただきます
市販のいびき用マウスピースは、睡眠時無呼吸症候群の治療用として作られたものではありません。かみ合わせを損なうおそれがあるため、自己判断での使用はおすすめしません。
当院では、一晩の入院でくわしい検査が受けられます
睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠中の呼吸・血液中の酸素・脳波などを同時に記録する精密検査(PSG/終夜睡眠ポリグラフィー)が必要です。当院では院内の検査室でこの検査を実施しています。
- 火・水・木・金の夜間に検査枠をご用意しています
- 18時頃までにご来院いただき、翌朝6〜7時頃にご退院いただけます
- お仕事や学校を休む必要がありません
- 検査・治療とも健康保険が適用されます
