治療の方法には、どのようなものがありますか?

睡眠時無呼吸症候群の治療は、大きく4つに分かれます。どれか一つを選ぶというより、状態に応じて組み合わせて行うものとお考えください。

CPAP治療

鼻に当てたマスクから空気を送り、眠っている間に気道がふさがらないようにします。現在もっとも広く行われている方法で、装着したその晩から効果が出る方が多くいらっしゃいます。

中等症から重症の方が中心CPAP治療について

マウスピース

下あごを少し前に出した状態で固定する装置を、就寝時に装着します。歯科で型を取って作製します。持ち運びやすく、旅行や出張が多い方にも使いやすい方法です。

軽症から中等症の方、CPAPが難しい方マウスピースについて

生活習慣の改善

体重、飲酒、睡眠時の姿勢、鼻づまり。いずれも気道の広さに影響します。単独で行うというより、ほかの治療と並行して取り組んでいただくものです。

すべての方に、あわせて行っていただきます生活習慣の改善について

手術・他科との連携

扁桃が大きい、鼻の通りが悪いなど、気道が狭くなっている原因がはっきりしている場合、手術が有効なことがあります。耳鼻咽喉科など他の医療機関と連携して対応します。

原因が構造にある方、お子さま手術・他科との連携について

どの治療になるかは、どう決まりますか?

おもに次の3つをあわせて判断します。

  • 重症度 検査で分かったAHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数)
  • 症状の程度 日中の眠気がどれくらい生活に影響しているか
  • 気道が狭くなっている原因 骨格、扁桃の大きさ、鼻の通り、体重など

重症度と治療の関係は、おおよそ次のようになります。

重症度AHIの目安主に検討する治療
軽症5以上15未満生活習慣の改善を中心に。症状や合併症の状況によって、マウスピースを検討します
中等症15以上30未満CPAP治療またはマウスピース。生活習慣の改善もあわせて行います
重症30以上CPAP治療が中心になります。原因によっては手術も検討します

← 表は横にスクロールできます

数値だけで決まるわけではありません AHIが高くても症状がほとんどない方、逆に低くても眠気が強い方がいらっしゃいます。また、高血圧や糖尿病などの合併症をお持ちの場合、軽症でも治療をおすすめすることがあります。数値・症状・合併症の3つをあわせて、ご本人と相談しながら決めます。

なお、健康保険でCPAP治療を行う場合の条件は、AHIの値と検査の方法によって定められています。くわしくは「保険適用の条件」のページをご覧ください。

治療を行わない、という選択はありますか?

あります。軽症で、日中の眠気などの症状がなく、高血圧などの合併症もない場合、すぐに治療を始めず、生活習慣の改善をしながら経過を見ることがあります。

その場合も、体重が増えた、眠気が出てきた、血圧が上がってきたといった変化があれば、あらためて検査を行い、治療をご検討いただきます。

当院では、検査結果と症状をご説明したうえで、治療を行うかどうかをご本人と一緒に決めます。検査を受けたからといって、必ず治療になるわけではありません。

複数の治療を組み合わせることはありますか?

あります。むしろ、組み合わせて行うことのほうが多いといえます。

  • CPAP治療を行いながら、体重の減量と飲酒の見直しに取り組む
  • 鼻づまりの治療を行い、CPAPを使いやすくする
  • 出張や旅行のときだけマウスピースを併用する
  • 扁桃の手術を行ったうえで、必要に応じてCPAPを継続する

気道が狭くなる原因は一つとは限りません。複数の要因が重なっていることが多いため、それぞれに手を打つほうが結果的に楽になります。

治療を始めたあとは、どうなりますか?

CPAP治療の場合、健康保険で続けるには原則として月1回の定期受診が必要です。受診の際には機器に記録されたデータを確認し、うまくいっているかを数字で見ながら調整します。

マウスピースの場合も、装着感やかみ合わせの確認のため、定期的に歯科と当院を受診していただきます。

治療の内容は、途中で変わることがあります。体重が大きく減った、鼻の治療で気道の状態が変わった、生活が変わって使いにくくなったなど、状況に応じて見直します。合わないと感じたら、やめてしまう前にご相談ください。

治療を決めるときに、考えていただきたいこと

  • 毎晩続けられる方法かどうか(旅行・出張の頻度も含めて)
  • ご家族と同じ寝室かどうか
  • 鼻づまりがあるかどうか
  • 歯や歯ぐきの状態(マウスピースをご検討の場合)
  • 通院の負担(CPAPは原則として月1回の受診が必要です)

気になる点があれば、診察のときに遠慮なくお伝えください。続けられる方法を選ぶことが、治療でいちばん大切です。

当院では、一晩の入院でくわしい検査が受けられます

睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠中の呼吸・血液中の酸素・脳波などを同時に記録する精密検査(PSG/終夜睡眠ポリグラフィー)が必要です。当院では院内の検査室でこの検査を実施しています。

  • 火・水・木・金の夜間に検査枠をご用意しています
  • 18時頃までにご来院いただき、翌朝6〜7時頃にご退院いただけます
  • お仕事や学校を休む必要がありません
  • 検査・治療とも健康保険が適用されます
PSG検査入院について詳しく