なぜ、CPAPが続かなくなるのですか?
CPAPをやめてしまう理由の多くは、意志の問題ではありません。圧の設定やマスクが合っていないことが背景にあります。
とくに多いのが、使い始めて数週間から数か月のあいだです。この時期に感じた使いにくさをそのままにしてしまうと、装着する日が減り、やがて使わなくなってしまいます。
逆に言えば、合わない部分を調整すれば続けられることがほとんどです。当院では毎月の受診のたびに機器のデータを確認し、うまくいっていない点があれば設定を見直しています。
次の受診を待つ必要はありません。使いにくいと感じた時点でご連絡いただければ、早めに対応できます。CPAP治療中の方の再診予約は、WEB予約または専用のお電話(050-5840-2209)で24時間受け付けています。
お悩み別の対処法
よくいただくお悩みごとに、考えられる原因と対応を整理しました。ご自宅で試せることと、受診時に当院で調整できることに分けています。
息を吐きにくい・苦しい
送られてくる空気の圧が強すぎる、または息を吐くタイミングと合っていないことが考えられます。使い始めの時期にもっとも多いお悩みです。
ご自宅でできること- 眠る前に、起きた状態で数分間つけて呼吸に慣れる
- 機器に「ランプ機能」(弱い圧から徐々に上げる設定)があれば使ってみる
- 圧の設定値を見直します
- 息を吐くときに圧を下げる機能の調整を行います
- 固定圧から自動調整タイプへの変更を検討します
マスクから空気が漏れる・目に当たる
マスクのサイズや形が合っていない、ヘッドギアが緩んでいる、クッションが劣化しているなどが考えられます。漏れた空気が目に当たると、乾きや充血の原因になります。
ご自宅でできること- ヘッドギアの締め具合を確認する(締めすぎても漏れます)
- 装着してから横になり、その姿勢で位置を調整する
- クッションに汚れや変形がないか確認する
- マスクのサイズ・形の変更をご提案します
- クッション、ヘッドギアの交換を行います
- 機器に記録されたリーク(空気漏れ)の値を確認します
口が開いてしまう・朝に口が乾く
鼻から送った空気が、口から抜けてしまっている状態です。鼻がつまっていると起こりやすくなります。
ご自宅でできること- 加湿器の設定を上げてみる
- 横向きで眠ってみる
- 口まで覆うタイプのマスクへの変更を検討します
- あごを支えるベルトのご案内をします
- 鼻づまりがある場合は、その治療を優先します
鼻がつまって使えない
アレルギー性鼻炎や鼻中隔の曲がりなど、鼻そのものに原因があることがあります。鼻がつまった状態では、CPAPの効果が十分に出ません。
ご自宅でできること- 風邪などで一時的につまっている場合は、無理に使わず回復を待つ
- 寝室の乾燥を避ける
- 鼻の状態を確認し、必要に応じてお薬を処方します
- 耳鼻咽喉科と連携して対応します
- 鼻の治療で改善しない場合、マスクの種類を変更します
チューブに水がたまる(結露)
加湿された空気が、室温の低いチューブの中で冷えて水滴になる現象です。気温が下がる時期に起こりやすくなります。
ご自宅でできること- チューブを布団の中に入れる、またはカバーで保温する
- 加湿の設定を少し下げる
- 寝室の温度を下げすぎない
- 季節に合わせた加湿設定の目安をご案内します
- 加温機能つきチューブのご相談を承ります
顔に跡がつく・肌が荒れる
マスクの圧迫、締めすぎ、皮脂や汚れの付着が原因になります。同じ場所に当たり続けると、赤みや痛みが出ることがあります。
ご自宅でできること- 毎日、マスクのクッション部分を拭く
- ヘッドギアを締めすぎない(漏れない範囲でゆるめに)
- 洗顔後、保湿してから装着する
- 当たる位置が変わるマスクへの変更をご提案します
- 皮膚の状態によっては、皮膚科をご紹介します
音が気になって眠れない
機器の作動音というより、空気の漏れる音や、チューブが動く音が気になっていることが多くあります。
ご自宅でできること- 本体を頭の位置より低い場所に置く
- チューブが引っ張られない長さ・向きに整える
- 空気漏れが起きていないかを、記録データで確認します
- マスクの変更をご提案します
気がつくと外してしまっている
眠っている間に無意識に外してしまう状態です。苦しさや違和感が背景にあることがほとんどで、「意志の問題」ではありません。
ご自宅でできること- 何時ごろ外しているか、分かる範囲で覚えておく
- 外れていた日を記録しておく
- 機器の記録から、使用時間と外れた時間帯を確認します
- 原因に応じて、圧やマスクを調整します
- 改善しない場合、ほかの治療法もご相談します
自分で設定を変えてもよいですか?
空気の圧の設定は、検査結果と受診時の調整をもとに決めています。ご自身で変更することは避けてください。圧を下げると無呼吸が止まらなくなり、上げると苦しさが強くなることがあります。
一方で、加湿の強さ、ランプ機能の時間、マスクの締め具合は、ご自身で調整していただいて構いません。季節や体調によって心地よい設定は変わります。
判断に迷う場合は、受診の際にお尋ねください。機器の画面を一緒に見ながらご説明します。
しばらく使っていません。再開できますか?
できます。使わなくなってしまった方も、遠慮なくご相談ください。
無呼吸は、CPAPを使わなければ元の状態に戻ります。体重や鼻の状態が当時と変わっている場合、以前の設定が合わなくなっていることもありますので、あらためて状態を確認したうえで再開します。
しばらく受診が空いている場合、保険での取り扱いが変わることがあります。手続きについては、お電話でお問い合わせいただくか、受診の際にお尋ねください。
どうしても合わない場合は、どうなりますか?
調整を重ねても続けられない場合、ほかの方法を検討します。マウスピース、生活習慣の改善、原因によっては手術という選択肢があります。
重症度によっては、CPAP以外の方法では十分な効果が得られないこともあります。その場合も、何もしないまま放置するのがもっとも避けたい状態です。できることを一緒に探しますので、まずはご相談ください。
ご相談の前に、分かる範囲でお聞かせください
- いつ頃から使いにくいと感じているか
- 1晩に何時間くらい装着できているか
- どのタイミングで外してしまうか(寝つき/夜中/明け方)
- 具体的に、どこがつらいか(息苦しさ/マスク/音/乾き)
- 体重や鼻の状態に、変化があったかどうか
機器はご持参いただかなくても、記録データを当院で確認できます。マスクは、合っているかを見るためお持ちいただけると助かります。
